縄文時代。ーインテリアの原型が1万年以上前に

縄文土器 未分類

同じ形がひとつもない器や、少し歪んだ縁、ざらりとした手ざわり。
作り手の息づかいが残るものを部屋に置くと、
空間にふしぎな“落ち着き”が生まれます。

そんな手づくりの魅力を、娘の小学校6年生の歴史の勉強をのぞいたとき、あらためて思い出しました。
縄文土器はどこか“粗削りでワイルド”という印象が強かったのですが、
土偶には「不調を肩代わりさせて治癒を願った」という説があると知ると、
その造形が急にあたたかく、人に寄り添うものに見えてきたのです。
(もともと土偶はどこかチャーミングですが。)

そこから、縄文土器や土偶は“暮らしのそばで生まれた手作りの道具”として
今のインテリアの感覚につながるのでは、と感じるようになりました。

縄文土器は、生活と美意識がひとつになった“最初のデザイン”

縄文土器は、煮炊きや保存に使うための、いわば“暮らしの道具”でした。
けれど、その表面には驚くほど豊かな装飾がほどこされています。
炎が立ち上がるような突起、複雑に絡む渦巻き、指で押した跡。
機能だけなら必要のないはずの表情が、生活の器に大胆に刻まれているのです。

実用品なのに、どこか祭礼的で、感情の高まりまで感じさせる造形。
これこそが縄文土器の特別な魅力で、
暮らしの中に“美しさ”を持ち込もうとした最初のデザイン
と言ってもいいのだと思います。

現代の住まいにも“手の気配”が求められている

いまの暮らしは、ものが整いすぎていて、どれも均質です。
その中で、手作りの器や木工、手吹きガラスの照明に心がひかれるのは、
そこに 人の手の気配 がそっと残っているからだと思います。

形にわずかな揺らぎがあったり、素材の表情がそのまま生きていたり。
そうした“手の跡”のようなものが、部屋の空気をやわらかく整えてくれます。
それは、縄文の器に刻まれた生活のリズムとどこか通じていて、
長い時間を超えて受け継がれてきた感覚なのかもしれません。

暮らしの中で、人の手がつくるものがそっと気持ちを整えてくれる。
そんな静かな事実を、縄文土器は思いがけず教えてくれます。

手で作るものには、暮らしの気配が宿る

縄文の器がそうであったように、
誰かの暮らしを思ってつくられたものには、
そっと気持ちを整えてくれる力があります。

その感覚は、いまの私たちも実際に体験できます。
日本各地で開かれている陶器市やクラフトフェアでは、
陶芸家や作り手から、直接うつわを選ぶことができます。

形のゆらぎを手にとって確かめて、
「この一つを、うちのテーブルに迎えよう」と決める時間。
それは、縄文から続く“手の気配”を、自分の暮らしに少し分けてもらう行為なのかもしれません。

このあと、そんな出会いが生まれる おすすめの陶器市 を、いくつか紹介していきます。

おすすめの陶器市

陶器市は、作り手と直接言葉を交わせる貴重な場所です。
形のゆらぎ、土の表情、焼き色の違い——
写真ではわからない“手仕事の気配”に触れることができます。
ここでは、インテリア好きにもおすすめの陶器市をいくつかご紹介します。


① 茶碗まつり(岐阜・多治見)

美濃焼を中心に、日常づかいの器が豊富に揃うイベント。
価格帯も幅広く、初めて陶器市に行く人にも選びやすい市です。
暮らしの“定番の一つ”を見つけたい人におすすめ。

茶碗まつり(たじみ陶器まつり)公式サイト


② 益子陶器市(栃木)

100年以上続く人気の大規模イベント。
若手からベテランまで作家が集まっており、
インテリアに合う器をじっくり選べます。

益子陶器市の公式ページ


③ 信楽作家市(滋賀)

花器やオブジェなど、インテリアに映える作品が多い陶器市。
土の表情を生かした信楽焼ならではの魅力にふれられます。

信楽作家市公式サイト


④ 有田陶器市(佐賀)

伝統ある有田焼の市。
白磁や染付の美しさは、ミニマルなインテリアとも好相性です。

有田陶器市公式サイト


⑤ 笠間の陶炎祭(ひまつり/茨城)

200を超える作家が参加する大規模フェス。
遊び心ある作品も多く、インテリアのアクセントになる一点物と出会える市です。

陶炎祭公式サイト

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